SMS産廃コラム

【第5回】インボイス制度まとめ

インボイスとは?

インボイス制度とは?経理業務における消費税の仕入税額控除の方式のひとつ

インボイス制度とは消費税の仕入税額控除の方式のひとつで課税事業者が発行するインボイスに記載された税額のみを控除することができる制度のことです。

インボイスとは適格請求書ともいい、売り手が買い手に対して一定の事項が記載された請求書や納品書及びこれらに類する書類のことをいいます。請求書や領収書、納品書、レシートなど、その名称を問わず、必要事項が記載されたものであればインボイスに該当し、様式は定められていません。

売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです

導入は2023年(令和5年)10月1日ですので、今のうちから準備を行いましょう。

第5回目となる今回は2022年12月16日に 自民・公明両党は与党の2023年(令和5年)度の税制改正大綱をまとめ、承認しました。
自民党のWEBサイトに即時公開されています。【PDF】令和5年度与党税制改正大綱

注目されていたものの1つに、適格請求書に関する対応の緩和措置があります。
小規模事業者への規制緩和が中心となりますが、全ての事業者に適用される恒久的な緩和策もあります。
その際の注意点などについて最大級の利用者数を誇る業務改善システムをつくる株式会社エスエムエスが詳しく解説しています。

なお、このページで解説する内容は大綱段階のものであり、確定した内容については、今後の法令等を確認してください。

1.中小企業の1万円未満の仕入時のインボイス

1年間の課税売上高が1億円以下の企業に対して緩和の措置です。

基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れにかかる支払い対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存による仕入税額控除を認める経過措置を講ずる。

インボイス制度の開始から6年間はインボイスが無くても、1万円未満については仕入税額控除ができるというものです。
1万円未満となりますので、従業員の立替金清算や備品消耗品費が主な対象となります。
特に従業員個人がクレジットカードを使用しての立替金の清算については、インボイスが不要となり、ETCを使っての高速道路料金を交通費として実費精算している場合など、これまで通りの対応で良いので、事務処理手続きの軽減になります。

課税売上高1億円以下の会社限定ですが、6年間の期間限定です!その間に周知徹底しましょう

2.返還が1万円未満の返還インボイス

売上に係る対価の返還(商品値引きや返品、売り手が振込手数料を負担した場合など)に係る税込金額が1万円未満である場合には適格返還請求書(返還インボイス)が不要となる緩和措置で、期間は無く恒久的な措置となります。

売上げに係る対価の返還等に係る税込価格が1万円未満である場合には、その適格返還請求書の交付義務を免除する。
(注) 上記の改正は、令和5年10月1日以後の課税資産の譲渡等につき行う売上げに係る対価の返還等について適用する。

インボイス制度により、事務処理が煩雑になると懸念されていた方は多いのではないでしょうか?
以下の項目などに該当する場合は適格返還請求書の発行が不要となりました。

・商品の返品や値引き
・請求書発行後の端数値引き
・販売奨励金
・事業分量配当金
・売り手が負担した振込手数料

実務として対価の返還を行っている企業のほかに、請求書発行システムを改修を必要と考えていたシステム会社にとっても朗報となります。

3.免税事業者の規制緩和

税制改正大綱に記載の免税事業者における3年間の緩和措置です。

適格請求書発行事業者の令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において、免税事業者が適格請求書発行事業者となったこと又は課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる場合には、その課税期間における課税標準額に対する消費税額から控除する金額を、当該課税標準額に対する消費税額に8割を乗じた額とすることにより、納付税額を当該課税標準額に対する消費税額の2割とすることができることとする。
(注1) 上記の措置は、課税期間の特例の適用を受ける課税期間及び令和5年10月1日前から課税事業者選択届出書の提出により引き続き事業者免税点制度の適用をうけられないこととなる同日の属する課税期間については、適用しない。
(注2) 課税事業者選択届出書を提出したことにより令和5年10月1日の属する課税期間から事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる適格請求書発行事業者が、当該課税期間中に課税事業者選択不適用届出書を提出したときは、当該課税期間からその課税事業者選択届出書は効力を失うこととする。
適格請求書発行事業者が上記①の適用を受けようとする場合には、確定申告書にその旨を付記するものとする。
適格請求書発行事業者が上記①の適用を受けようとする場合には、確定申告書にその旨を付記するものとする。
その他所要の措置を講する

2023年(令和5年)10月1日から2026年(令和8年)9月30日までが課税期間に含まれている場合は、その課税期間における年間の総収入の約2%が消費税の納税額となります。
例えば、1年間の収入が550万円だった場合、そこに含まれる消費税50万円の2割である、10万円が消費税の納税額となります。

多くの免税事業者にとっては3年間・2割という緩和措置は助かりますね

4.インボイス登録の期限などの配慮

免税事業者が適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し、課税期間の初日から登録を受けようとする場合には、当該課税期間の初日から起算して15日前の日(現行:当該課税期間の初日の前日から起算して1月前の日)までに登録申請書を提出しなければならないこととする。この場合において、当該課税期間の初日後に登録がされたときは、同日に登録を受けたものとみなす。
適格請求書発行事業者が登録の取消しを求める届出書を提出し、その提出があった課税期間の翌課税期間の初日から登録を取り消そうとする場合には、当該翌課税期間の初日から起算して15日前の日(現行:その提出があった課税期間の末日から起算して30日前の日の前日)までに届出書を提出しなければならないこととする。
適格請求書発行事業者の登録等に関する経過措置の適用により、令和5年10月1日後に適格請求書発行事業者の登録を受けようとする免税事業者は、その登録申請書に、提出する日から15日を経過する日以後の日を登録希望日として記載するものとする。この場合において、当該登録希望日後に登録がされたときは、当該登録希望日に登録を受けたものとみなす。
(注)上記の改正の趣旨等を踏まえ、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者が、その申請期限後に提出する登録申請書に記載する困難な事情については、運用上、記載がなくとも改めて求めないものとする。

少しややこしい内容と感じられるのが③に記載の15日前に提出という内容ですが、こちらは2023年(令和5年)10月1日より後を登録日として申請する場合です。
実際には、附則による経過措置があるので、9月末が提出期限となります。
元々、附則で『困難が事情があれば』9月30日までの申請もOKとしていて、今回の大綱で、「困難な事情」の記載を不要とした改正となりました。

とはいえ、発行する請求書への登録番号の記載を考慮すると、自社の登録番号を早く取得する必要があります。申請から登録通知までは約2週間程かかる場合がありますので、早めの申請を心がけましょう。

財務省の公表したQ&A

2023年(令和5年)1月20日に財務省が以下の通りQ&Aを公表しています。
【PDF】インボイス制度の負担軽減措置(案)のよくある質問とその回答

問19. 令和5年3月末が登録申請の期限ですが、その後の申請では登録できないのですか。
(答) 令和5年10月1日のインボイス制度の開始にあわせて登録を受けるための期限は、ご質問のとおり令和5年3月31日とされています。
ただし、4月以降の登録申請であっても、9月30日までに行われたものについては、インボイス制度が開始する令和5年10月1日に登録を受けることが可能です。
※ 免税事業者の方が令和5年10月2日以後の日の登録を希望する場合には、登録申請書に登録希望日を記載する必要があります。

提出期限は2023年(令和5年)3月31日ですが、9月30日までに申請を行えばインボイス制度が開始される10月1日から登録を受けられるという取扱です。
大綱に記載のとおり法律が改正されたのではなく、国税局内部での運用で対応するというような書きぶりですが、事実上9月30日までに適格請求書発行事業者の登録を申請すれば10月1日から登録されるというのが、財務省の公式発表です。

5.よくある質問

インボイス制度に対応した請求書発行ソフトはありますか?

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インボイス制度の開始後、請求書を保存するスペースと手間が不便です

売り手は発行した適格請求書の控えを自社で保存する義務があります。
また、買い手側は受領した適格請求書と帳簿の保存が義務付けられています。
適格請求書は書面での交付に代えて電子インボイスでの対応が可能です。

産廃キングから請求書データをPDFとして出力できますので、楽楽明細にアップロードすることで電子請求書に対応できます。

エスエムエスの産廃ソフトで電子インボイスに対応する方法

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